« 2015年1月 | トップページ | 2015年3月 »

2015年2月14日 (土)

修習技術者制度を考える

今日は日本技術士会での「修習技術者研究発表大会」への参加。修習技術者の研究発表もあったが、基本テーマは「修習技術者の修習のあり方について考える」 ~修習として何を身につければ良いのか~。

基本テーマの講演やパネル討論で多かったのが、技術士になった経緯や技術士での自己研鑽。もちろん、修習技術者などと技術士の自己研鑽が大きくは違わないけど、自分としては違いめいたものが聞ければと思って参加したので拍子抜け。あと、技術士会や技術士が、修習技術者に対して何ができるかとか何をすべきかも少し話が出ればと思ったけど、無かったように思う。

弁護士用語に「いそ弁」というのがある。そちらは弁護士新人が弁護士事務所に勤めること。医師にはインターン制度があった。インターン制度は医学部を卒業して無給で働くもので、昔はそれを経ないと国家試験を受けることができなかった。会計士の制度に、会計士と会計士補の制度があった。会計士補を経ないと会計士になれない。

技術士と、技術士補や修習技術者との関係って、会計士/会計士補の関係に近いかもしれない。ただ、大きくイメージが違うのは、後者が会計事務所に勤務しながら士を目指すが、技術士補が(個人)技術士事務所に勤務するケースは相当低いと思われる。企業内でのつながりや、知り合いとしてのつながりは多そうだが。

ましてや、修習技術者としては、どのようにして技術士を当てにするかなどが余り言われていない。つまり、JABEEなどで修習技術者にはなったものの、その先が見えていないというか、、、。企業内の技術士を探して研鑽することは考えられる/言えるけど、企業がJABEE卒業生に対して何らかのアドバンテージを示しているのか非常に疑問。転職サイトなどで、JABEE卒業生優遇とか修習技術者優遇とかを目にしたことが無い。(探せば見つかるかも知れないが、極端に数が少ないと思う。)

修習技術者もその辺りをストレートに言っても良さそうに思うが、あのような会合でもなかなか出てこなかった。その意味で、少し消化不良状態の大会参加となった。

2月 14, 2015 技術士 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月 4日 (水)

KT用紙やKJ手帳の思い出

ここ2,3日電車の中で読んでるのが発想法関連の本。「問題解決手法の知識」(2版)。

その中の記述で、「東芝で開発された技法にブリッジ法という手法があります」という箇所があった。著者はその手法をベースにして、”ハイブリッジ法”なる手法を生み出しており、本ではハイブリッジ法について述べている。どちらも、KJ法のようなカードによる問題列挙や解決方法の検討がベースになっている。

現在も東芝で活発に使っているかは不明だが、企業で発想法まで生み出してるんだ~というのが、その時の感想。東芝で、どんな背景で手法を生み出すことになったか少し興味が沸いたし、今も使っているんだろうかと少し気になった。

そんなことを考えていたら、以前(20年ほど前)にKT用紙を使って検討したときの事を思い出した。”KT用紙”はA1サイズの大きな紙で、今でもネット検索すると出てくる。ただし、両脇をダブルクオーテーションで囲まないと、他の用語が検索結果に多く出てしまう。

当時は個人的に、KT用紙での検討は非常に違和感があって、なんでこんな方法で検討するんだろうと訝しがったのを覚えている。というのも、直ぐ脇にホワイトボードはあるし、それでハードコピーというかスキャンも出来る。よく分からないチームというかリーダーだな~と思った。1,2年して判明。どうやら、社内研修でKT用紙の項目があった。その関係もあって、KT用紙の在庫があったり購入もすんなり行えたのだろう。

その後(3,4年前)別のチームというか状況だけど、マインドマップの手書きに拘る人がいた。検討時にパソコン系のツールを使うことをぼろくそに言う。手書きでのメリットもあるけど、そこまでぼろくそに言わなくてもというのが感想だった。

どうやら両方とも、受けた教育をそのまま適用しようとして、検討という場での活用を忘れてるに近い。つまり、KT用紙もマインドマップも手段なのに、教わった方法でないと気がすまなくなっているという人種。


実は古い知り合いなどとの飲み会で、「当時は、KJ手帳を持ってたね~」なんていう話が飛び出す時がある。相当昔、発想法としてKJ法を習い、その手法のためのグッズを購入して持ってたというものだ。KJ手帳は、1枚に小さなシールがいくつかあって、それが冊子になっているもの。

古い知り合いとの話は懐かしさで飛び出すもので、当時でもKJ手帳が無ければ、紙片に書いてそれを並び替えるなんていうことはやっていた。今だと、ポストイットの利用だろうか。

で、KT用紙・手書きマインドマップとKJ手帳の思い出が大きく違うのは、後者が当時でも手段に拘ったわけじゃない事。検討の方が重要だから、紙片でもホワイトボードでも余り気にならなかった。(並び替えの絡みがあるから、ホワイトボードよりも紙片の利用にはなるだろうが。)


昨今で、自分の回りで多いのは、ポストイットと「イーゼルパット」の利用。どちらも(元々というか商品名的には)3M。イーゼルパットがない時は、大きな用紙や机の上にポストイットを置いてデジカメなどで撮影して保存したり投影する。もちろん、その時の用意された物品で臨機応変に対応する。

ちなみにワークショップなどで、討論結果の発表があって、チーム内にPC持参の人がいたらPC上で整理したり手直しすることがある。不思議なもので討論中は合意形成されたと感じても、まとめたり発表に備えようとしたら、記載してる事と意図してることが乖離してたということは少なくない。

いずれにしろ自分の場合、ワークショップの類でチームでのツールの利用方法や検討方法の合意が早い時ほど、上手くまとまることが多いと感じる。あるいは、(自己紹介や)これらに対する意見を最初にフランクに述べ合うことが出来れば一安心といった感じだ。もちろん相手のある事なので、出足は良くてもその後がまずかったというのはあるけど、合意が早いと他のチームと比較して時間的にもプレゼン的にも高得点といったことが少なくない。


問題解決や設計でのアイデア出しって、使うツールに固守しすぎて目的かとかを忘れたら本末転倒。場合によっては、ライバルチームやライバル企業に先を越されてしまう。ツールも使いようと、改めて感じた。

「問題解決手法」

「発想 ツール」


2月 4, 2015 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月 3日 (火)

日経SYSTEMS 2月号 「日本のソフトウェア契約はもう古い」

最新の日経SYSTEMS 2月号の表紙で、特集2「日本のソフトウェア契約はもう古い」が目に飛び込んできた。目次での絵を見たら、ペリーらしき人物が契約書を持ってるイラスト。誘導が上手くて^.^;、本文の方も読むことにした。

http://ec.nikkeibp.co.jp/item/backno/OS0262.html

タイムアンドマテリアル(T&M)契約など、米国で採用されている契約形態が表になってて分かりやすい。日本での請負契約やプロセスを絡めた説明も良くまとまっている。ただし、後半の米国ITコンサルタントからよく言われるという「なぜ日本ではこんな古い開発プロセス(ウォーターフォールモデル)を続けているのか」のあたりから、個人的に少しカチンときだした。新しい・古いという尺度しかないのかと言いたくなるし、じゃ「オバマケア」のトラブル状況はなんだったのかとか言いたくなってくる。

少し冷静になっても、後半部分に、じゃどうしたら良いかとか解決策の例示が無いのが残念に思えた。例えば、IPAでは「非ウォーターフォール型開発に適したモデル契約書」に対する案を公開している。(ちなみに以下は改訂版。)

https://www.ipa.go.jp/sec/softwareengineering/reports/20120326.html

契約書案以外に、何年か前には、非ウォーターフォール型開発に関連して海外での契約形態をまとめた資料も公開されたはずだ。


結局、IPAでの案などいろんな形態の契約を参考にして、プロジェクトマネージャーが法務部門と掛け合って契約書にする必要がある。日本の契約が古いのなら、その辺りの交渉をちゃんと行おうという、気概のあるプロジェクトマネージャーへの提言があっても良かったと思った。

例えば本号に、IPAでの「基本/個別契約モデルの個別契約書案(請負型)」をベースにしたソフトウェア開発の雛形を法務に認めさせたなんていう事例が書かれていれば、もっとじっくり読んだんだろうけど、その辺りに踏み込んで書かれて無い。

さらに言えば、大抵の契約書には、”準拠法”と”第一審の専属的合意管轄裁判所”をどこにするかが書かれている。国内契約(東京都に本社のある企業)だと、日本国法律と東京地裁というケースが多い。これらは、ソフトウェアの使用許諾などに書かれていることが多いから、目にしたことがあるかもしれない。海外製だと、ニューヨーク州法が準拠法なんていうのが少なくない。

日本の請負と準委任が古い(問題)なら、準拠法をニューヨーク州法にするのも考えとしてはある。そこまで提言として踏み込んで書いてあっても良いかと思う。でも、国内のIT案件で、準拠法をニューヨーク州法にするなんて荒唐無稽。まずは法務が許さないだろう。やれアメリカの方が良いというのなら、裁判になってニューヨーク州法で対抗できるぞというプロジェクトマネージャーなら、どうにか法務を説得できるか、、。

アメリカの開発プロセスを良しとしたり向こうの契約が良いとしても、それを(特に後者)採用するには法律・判例とか裁判への対応が必要である。それらを踏まえての判断が必要だろう。


日本企業もグローバル化してるので、企業によっては海外SIの案件も増えてきている。あるいは、海外子会社での契約に目を光らす必要も出てきている。法務としてはいろんな契約形態があるだろうけど、雛形的には**と@@にするなどいくつかに絞っておかないと手間がかかる。契約雛形(ベース)を決めて必要に応じて後は記載社名の変更程度にするとか、個別での細部変更程度で済ませたい。法務だって、そう個別の案件に対応する時間はなく、買収など超ビッグな契約への対応も必要だ。それらも踏まえて、法務と掛け合うくらいの覚悟は必要だろう。


本号の見出しが少しセンセーショナルだっただけに、その辺りの踏み込みが無かったのが残念だ。

(個人的には、旧来の日本的契約をベースにしてプロジェクトに応じた変更を法務と交渉している人もいて、むしろそちらの方の対応の方が評価できると考えてはいる。)

2月 3, 2015 書籍・雑誌 | | コメント (0) | トラックバック (0)